看板素材のおすすめをやさしく解説|選び方のコツと定番素材まとめ

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葛西 晋(かさい しん)

1981年生まれ・看板屋歴25年

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〒036-8065 青森県弘前市西城北 2-6-17
TEL 0172-34-5599 FAX 0172-31-0520

お店の看板は、通りすがりの人にとって最初に目に入る「顔」のような存在です。

使う素材によって印象が大きく変わるため、どんな素材を選ぶかはとても大切なポイントになります。

屋外向けの丈夫な素材、手軽に使える軽い素材、おしゃれさを演出できる素材など、それぞれに特徴があり、シーンによって向き・不向きもあります。

はじめて看板を作る方にとっても選びやすいように、おすすめの看板素材をわかりやすくご紹介します。

看板の素材選びでお店の印象が決まる

看板に使う素材は、お店の雰囲気づくりに大きく関わってきます。

見た目や使い方に合った素材を選ぶことで、イメージにぴったりの看板に近づけることができます。

「とりあえず」では失敗する?素材選びが大切な理由

看板は、お店の第一印象をつくる大事な存在です。

だからこそ、何となく素材を選んでしまうと、「思っていた仕上がりと違う…」「すぐに劣化してしまった…」というようなトラブルにつながることもあります。

例えば、雨風にさらされる場所に向かない素材を使ってしまうと、すぐに色あせたり壊れたりして、見た目が悪くなるだけでなく、修理や交換の手間やコストもかかってしまいます。

逆に、室内用の看板に高価で重たい素材を使うと、設置の手間やコストが無駄に大きくなってしまうこともあります。

看板は長く使うものなので、見た目や設置場所、目的に合った素材をしっかり選ぶことが大切です。

看板素材によってコストも効果も大きく変わる

看板の素材には、アルミ複合板やアクリル、木材、ステンレスなど、いろいろな種類があります。

どの素材を選ぶかによって、仕上がりの雰囲気やかかる費用が大きく変わってきます。

例えば、アルミ複合板は軽くて丈夫でコストも抑えられるので、屋外でも気軽に使えます。

一方で、ステンレスは高級感がありますが、価格が高く、加工や設置にも少し手間がかかります。

アクリルは透明感があっておしゃれですが、割れやすいので設置場所を考える必要があります。

お店の雰囲気や目的に合った素材を選べば、見た目の印象もよくなり、結果的にコスパのよい看板に仕上がります。

よく使われる看板素材とその特徴

看板の素材にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴や使いどころがあります。

お店の雰囲気や設置場所に合わせて、無理なくフィットする素材を選んでいくことが大切です。

アルミ複合板:軽くて丈夫、屋外で大活躍

アルミ複合板は、芯材の樹脂を薄いアルミ板で挟んだ三層構造のパネル素材です。

とても軽いですがしっかりした強度があり、屋外でも安心して使えるため、多くの看板で採用されています。

厚み3mmのタイプが一般的で、インクジェットシートを貼るベースとして使われることが多く、色や仕上げのバリエーションも豊富です。

雨風や紫外線にも強く、長期間きれいな状態を保てるのが魅力です。

ただし、柔らかい素材なので、ビスで固定する際には工夫が必要ですし、曲げたり接着したりする加工には向いていません。

シンプルな形の看板におすすめの、コストパフォーマンスの良い素材です。

アクリル:透明感とデザイン性で人気の素材

アクリル板は、プラスチックの一種で、ガラスのような透明感がある美しい素材です。

ガラスよりも軽くて割れにくく、加工しやすいことから、看板づくりでもよく使われています。

特に、厚みを持たせて立体的に見せたいときや、壁面から浮かせたような設置方法をしたい場合にぴったりです。

おしゃれなカフェや美容サロンの看板などに多く使われており、光を通すので照明との相性も良いです。

一方で、紫外線や高温にはやや弱く、屋外で使うには変色や劣化への注意が必要です。

デザイン性を重視したい方には、とても魅力的な選択肢になります。

ステンレス:重厚感と高級感を出したいときに

ステンレスは、金属素材の中でも特にサビにくく、耐久性にすぐれた頼もしい素材です。

高級感のある見た目が特徴で、会社やホテルの看板など、信頼感や格式を大切にしたい場面で選ばれています。

ヘアライン仕上げや鏡面仕上げなど、表面の加工によって印象を変えられるのも魅力のひとつです。

ただし、材料費や加工費が他の素材に比べて高くなりやすく、取り扱いにも専門的な技術が必要です。

また、手垢などが目立ちやすいので、定期的なお手入れも欠かせません。

長く美しく使いたい、そんな看板を考えている方にはぴったりの素材です。

木材:あたたかみとナチュラル感を演出

木材の看板は、やさしい雰囲気やぬくもりを演出したいときにおすすめです。

無垢材を使えば、木そのものの風合いを活かした個性的な仕上がりになり、手彫りの文字などでオリジナリティを出すこともできます。

ナチュラルなカフェや雑貨店、歴史あるお店など、世界観を大切にしたい場合にはとても相性が良い素材です。

ただし、雨や日差しなどの影響を受けやすく、劣化を防ぐためには防腐塗装などの定期的なメンテナンスが必要になります。

また、素材の選び方や扱い方によって印象が大きく変わるため、制作時には慎重な判断が求められます。

シート素材:安くて自由、デザイン重視派におすすめ

シート素材は、塩ビ系の薄いフィルムで、印刷やカッティング加工をして看板に貼ることで、手軽にデザインを表現できる素材です。

単色のカッティングシートや、写真をフルカラーで印刷できるインクジェットシートなど、種類がとても豊富です。

コストも比較的抑えられるため、短期間のイベント看板や店頭POPなどにもよく使われます。

屋外でも使用可能なタイプもありますが、日差しや雨風で徐々に色あせたり、劣化したりすることもあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

自由なデザインを楽しみたい方にとっては、使いやすさと表現力のバランスが魅力の素材です。

【目的別】素材の選び方について

看板に使う素材は、どんな場面で使うかによって選び方が変わってきます。

使う期間や場所、仕上がりの雰囲気などに合わせて、素材の特徴をうまく活かすことが大切です。

長期設置には「耐久性」と「メンテ性」がカギ

長く使う看板を選ぶときは、「丈夫さ」と「お手入れのしやすさ」がポイントになります。

例えば、雨や風、日差しにさらされる場所では、アルミ複合板やステンレスといった、傷みにくい素材が安心です。

中でもアルミ複合板は、軽くて扱いやすいのに、しっかりとした強度があり、設置や取り外しもスムーズに行えます。

ステンレスは少しお値段が高めですが、その分、高級感のある見た目と長持ちする安心感があります。

会社の看板や施設の表示板など、「この先ずっと使いたい」という場面にぴったりです。

短期イベントなら「軽さ」と「低コスト」で選ぶ

イベントや展示会など、短期間だけ使う看板なら、「軽さ」と「予算にやさしい価格」が大事になってきます。

スチレンボードのような発泡素材はとても軽くて扱いやすく、カッターなどでサッとカットできるので、急な変更にも柔軟に対応できます。

ポスターや案内パネル、等身大のスタンドなどによく使われていて、会場の設営や撤収がラクになるのも魅力です。

必要に応じてスタンドやテープと組み合わせれば、自立型のサインとしても活躍します。

「短い期間だけ、サッと使いたい」そんなシーンには、こういった軽くてリーズナブルな素材がぴったりです。

店舗の雰囲気を大事にするなら「素材感」で決める

お店の雰囲気にこだわりたいときは、看板の「素材そのものの見た目」も大切な要素です。

例えば、木材を使った看板は、自然なぬくもりがあって、カフェや雑貨屋さんのようなやさしい空間づくりにぴったりです。

中でも無垢材は、ひとつひとつ木目や色合いが違うので、世界に一つだけの看板をつくることができます。

アクリル素材なら、透明感があってすっきりした印象になり、美容室やサロンなどでよく使われています。

お店の「らしさ」を引き出すためには、見た目の印象も大事です。素材の風合いを活かして、空間にしっくりなじむ看板を考えてみるのもおすすめです。

看板製作で失敗しないためのポイント

看板を作るときは、見た目のデザインだけでなく、取り付ける場所や使い方も合わせて考えておくと安心です。

事前にポイントを押さえておけば、後から困ることも少なくなります。

設置場所と環境に合った素材かどうかを確認

看板に使う素材は、設置する場所の環境に合わせて選ぶことが大切です。

例えば、直射日光が強く当たる場所や風雨にさらされる場所では、耐久性に優れたアルミ複合板やステンレス素材がよく選ばれています。

一方で、木材など自然な風合いが魅力の素材は、屋外では傷みやすいため、定期的なメンテナンスが必要になります。

通行人の目線の高さや車からの見え方を考えることで、より効果的な素材選びがしやすくなります。

加工のしやすさとデザイン表現の自由度も要チェック

看板の見た目はお店や会社の印象を大きく左右します。

ロゴの形や色、立体感のある文字など、イメージをしっかり伝えるためには、デザインの自由度が高い素材を選ぶことがポイントです。

アクリルやシートは加工しやすく、カットや彫刻、印刷などに幅広く対応できます。

複雑なロゴや写真入りのデザインをきれいに仕上げたいときには、インクジェットシートとの組み合わせもおすすめです。

専門業者との相談が、納得の仕上がりへの近道

看板をつくるときには、素材選びやデザインのことだけでなく、設置場所の状況や安全面にも気を配る必要があります。

どんな素材が向いているか、どんなデザインが見やすいか迷ったときには、看板づくりに詳しい専門業者に相談してみましょう。

「こんな場所に付けたい」「このくらいの期間使いたい」など、希望や条件を伝えることで、ぴったりの提案をしてもらえます。

施工後のフォローやメンテナンスについても相談できるので、はじめての方でも安心して進められます。

まとめ

看板に使う素材は、見た目の印象だけでなく、設置場所や使い方にも大きく関わってきます。

長く使いたいときには丈夫さやお手入れのしやすさが重要になり、イベントなどで使う場合には、軽さや扱いやすさが便利です。

お店の雰囲気に合わせて、あたたかみのある木材や、すっきりとした印象のアクリルを選ぶことで、空間との調和も生まれます。

どの素材にもそれぞれの良さがあるので、目的や環境に合わせてじっくり選んでいきましょう。

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